二度と体験できないこの1年間を忘れないために
忘れもしない秋のあの日。愛する息子がこの世に生まれました。あの感動の出会いからもうすぐ一年。あっという間に過ぎ去っていく怒涛の毎日の中で、気づいたこと、知ったことがいくつかありました。どれも当たり前のことですが、新米パパにとっては全てが新たな発見でした。
このかけがえのない宝物を忘れてしまわないように、ここに書いておこうと思います。
これからこどもが生まれる未来のパパさんは、これを読んでちょっとの不安とその100倍の期待で胸をパンパンにしてください。
この1年間で初めて気づいた9つのこと
1.正確には、応援することしかできなかった。
こどもが生まれてきてくれたあの日は、人生で一番誰かを応援した日になりました。
陣痛がきて分娩室に入った妻の唸り声を部屋の外から聞きながら(立ち会う予定だったのですが、分娩室に移ったすぐは部屋の外で待たされました)、「無事に生まれてきますように」「母子ともに健康で出産を終えられますように」とぶつぶつ呪文のように唱えていました。
そして看護師さんから促されて分娩室に入った後も、妻の横に立って手を握りながら「がんばれ、がんばれ」「大丈夫、もう少しもう少し」と何回も声をかけました。
あんなに、誰かのことを「がんばれ、きっと大丈夫」と応援したのは初めてですね。いや、正確に言うと、横で、妻と生まれてくる息子を応援することしかできませんでした。
2.第一声は「やっと会えたね」
息子が無事生まれてきてくれて初めて泣き声を聞いたときの感想は「やっと会えたね、ずっと待ってたよ」でした。あんなに応援したもの初めてだし、あんなに誰かに会いたいと思ったのも初めてです。
たまに産婦人科でもらうエコー写真で対面するだけだったので、初めて顔を見た時は「ああ、こんな顔してたんだね」ってうれしい気持ちになりました。
10ヶ月くらいママのお腹にいたので、初めて会ったというより「やっと会えた」という感じでした。
3.父親には「なる」のでなく「してもらう」
そうして無事生まれてきてくれた息子と、無事に出産を終えてくれた妻には感謝の気持ちしかありません。むしろ横で応援することしかできなくて申し訳ない気持ちすらありました。
だから「俺は父親になったんだ」なんて威張れるはずもなく、ふたりに「父親にしてもらった」と思っています。その日以来、父親の僕にしかできないことは全力でやろうと心に決めています。
4.「育児を手伝う」はキングオブ禁句。
これは2児の母親でもある職場の先輩から言われたことです。
「育児を手伝うなんて言ってたら、ほんと奥さんに見捨てられるよ」
「育児も全部母親がやるって誰が決めたの!」
これを聞いて確かにと思いました。この先輩はすでに旦那さんのことを見捨てているらしく、そうなりたくないとの思いから順守しようと誓いました。
なので仕事帰りや休日に何かする場合でも「オムツ替え、手伝おうか?」ではなく「オムツ替え、やってもいい?」と言うようにしています。
ただ、この時気をつけないといけないのは、指示待ちになっていると怒られます。あとわからないことを適当にやっても怒られます。
そしてもっと気をつけないといけないのは、先に奥さんから指示が出ている場合は必ず従うことです。「◯◯しておいて」と言われたのに「いや、△△の方がよくない?」なんて言ってしまうと必ず怒られます。
あんなにしおらしかったかわいい奥さんが鬼と化します(ママさんたち、すみません……)
まとめると、
・指示を待つだけではいけない
・わからないことは素直に質問せよ
・指示があった場合は必ず従え
です。まるで新入社員ですね。笑
5.このヘトヘトな毎日は、あの日へのタイムマシン。
息子が急に「うぇーん」と泣き出し、オムツの青いラインを確認し(おしっこをすると色が変わってわかるようになってます。便利です)オムツを外しておしりを拭いて、新しいオムツを履かせて……。
一日何回と繰り返していると、ある日ふと気付きました。「ああ、これって自分も母親にやってもらってたんだな」と。
そのことに気づいてからは、自然とオムツを替えたりあやしたり着替えさせたりができるようになりました。
もちろん毎回楽しいわけじゃないです。正直、面倒だなとかきついなって思うことも多々あります。でもそのことに気づいてからは、大げさにいうと「全てのものごとに感謝」できるようになりました。おおげさですけどね。
6.新米にとってイオンは天国。
こどもが生まれて1ヶ月も過ぎると外出しても良いようです。3,4ヶ月にもなると首が座ります。
それくらいの時期には、妻の気分転換もかねてぼちぼち出かけるようになりました。お出かけ先はほとんどイオンになります。
イオンは子連れにとっては天国でした。何が良いって、まず「通路が広いのでベビーカーで通りやすい」「エレベーターがたくさんある」「オムツを替えられる赤ちゃんルームみたいなのがある」「授乳室もある」「服から日用品まで何でも揃う」「フードコートがある」などなど。
何回かは僕が息子を見ている間に妻に整体に行ってもらったりもしました。整体や歯医者さんもあるなんて、イオン最強説を支持します。
7.電車最高、バス最高。
車でイオンに行くのは楽ですが、バスや電車は大変です。
ベビーカーを持って電車に乗っても良いですが少し気が引けるので、電車やバスの場合は、抱っこ紐&大荷物になります。だから電車やバスでの移動は大変です。
じゃあ何が最高かって、こどもがめっちゃ喜びます。普段は車のチャイルドシートであまり外の景色が見えないからなのか、電車やバスに乗るとテンションあがります。で、不思議そうにずっと外を見て、何かを発見したのか指をさして「んちゃーー」と教えてくれたりします。
あと、やさしいおばさま達が声をかけてくるという特典がもれなくついてきます。「あらまあ、かわいいねー、ちいさいねー」「んちゃー」の応酬です。そんなこんなで、電車最高、バス最高です。
8.挑戦しまくるから、明日が楽しみになる。
この1年間、息子と接していると、毎日ができないことへの挑戦でした。しかも1度もあきらめないという。
ただ仰向けに寝ている状態から寝返りができるようになり、寝返りしても元に戻れなかったのが、ごろごろ回転できるようになり。うつ伏せで腕と足をのばしてバタバタしていたのが、いつの間にかハイハイするようになり。転んで何度頭を打って泣きまくっても、すぐに立ち上がろうとして、いつの間にかもう5,6歩ひとりで歩けます。
この1年間の数々の挑戦の中で彼は一度も諦めませんでした(当たり前といえば当たり前ですが)できないことに挑戦して失敗して、できるようになって。その繰り返しを見ていると毎日が楽しくて、そして「明日はできるようになるかな?」って明日がもっと楽しみになりました。
子育てって「期待して応援する」のと同義な気がしています。
あと、そんな超ポジティブチャレンジャーの息子を見ていると、自分も、すぐできないってあきらめずにジタバタしようって思える副産物もあったりしました。
9.どう考えても、誕生日は「ママの日」だ。
そんな、ヘトヘトで最高で楽しみまくった毎日もあっという間に過ぎ、もうすぐ息子は1歳の誕生日を迎えます。
ここ最近は妻とふたりで、どんな風にお祝いをしようか会議を重ねているのですが、その時に思い出すのは1年前のあの日の妻のがんばりです。
もちろん、息子に「1歳のお誕生日おめでとう」とお祝いする気持ちはあふれるほどありますが、正直なところ、妻への感謝の気持ちの方が強いかもしれません。だって彼女が人生で一番がんばってくれた日ですから。
なので、息子がもう少し大きくなったら(来年の誕生日には!)こう教えようと決めています。
「生まれてきてくれてありがとう」
「あとね、ママにありがとうって言っておいで」
「今日はママががんばった日だから、ママにありがとうを言う日だよ」
最後に、この場を借りまして
がんばって息子を産んでくれてありがとう。
がんばってこの世に生まれてきてくれてありがとう。
次の1年間も3人で楽しく過ごしましょう。よろしくね。